巻き舌をどうやって習得するのか、試しにネットで調べてみたらこれがけっこうヒットする。「どうやったらできるようになるんでしょうか」とか「1年位地道に練習してできるようになりました」とか、「arr,trr,arr,trrを繰り返すと必ずできるようになる」とか「遺伝的にできない人もいるらしい」とか、まぁいろいろ。なんにしても、できない人にとっては全くもって理解不能なこの巻き舌、私と同じようにできるようになりたいと密かに思っている方のために、どうやって私が会得したのかを忘れないうちに記しておく。

  • 巻き舌ができる人に「rrrrrr」とやってもらい、その時の舌の形を観察した。舌は上あごの歯の内側に沿ってくっ付いているように見え、舌の先端だけが信じがたい速度でプルプルしていた。
  • どうやったらこんな動きが可能なのか。まず筋肉ではありえない。ペラ紙が風に吹かれて細かく振動している時のように、空気の力で動いているに違いない。どうやったらそれを再現できるのか。
  • 上あごの歯の裏に沿って、舌の周囲を貼り付けた。舌の中心部は空気の通り道になるように、舌先に向かって丸めておき、舌先には力を入れないようにして、腹の底から思い切り息を吹きだした。
  • 舌先の力が弱すぎると、息の力で前に押し倒されてしまう。かといって力をこめすぎると口角付近から空気が漏れ出してしまう。舌の先端からだけ空気が吐き出されるように、かつ、舌先が風に吹かれるペラ紙のようにぶるぶる震える位の抵抗で立っているように、力を加減しながら息を吐く練習をした。
  • この時はまだ「rrrr」と言うことは考えず、単に舌先が細かく「bbbbb」と振動する力加減を掴むことだけに集中した。ここまでおよそ、1日5分×5日位。
  • 最初のうちは、唾ばっかり飛んでちっともうまくできなかったが、何度か練習するうちにちょっとずつ「bbbbb」となってくるようになった。そうすればしめたものだ。
  • 「bbb」の感覚を掴んだところで、その状態で「rrrr」と言ってみた。これが巻き舌ができるようになった瞬間だった。さらに安定してできるようになった頃には、いつのまにか音もきれいな「ルルル〜」になっていた。私はここまで実質7日間位だった。


口笛とか、河面に石を投げてピンピンピンとジャンプさせるのとか、あとは指をパチンと鳴らすのとかペンをくるくる廻すのとか。「すげー」とあこがれて見につけた小技に新たなものが加わった。あとはお札をものすごい勢いで数えて最後に「パシン!!」と鳴らすやつを会得すれば、私にとっても憧れの技は一通り網羅する予定だ。

お札パッチンはいつも「失敗したら1回最低でも1000円、不幸な場合は1万円」と考えて萎縮してしまう。いつか身につくことがあるのだろうか。