我が家に用事がある人が、ウチのマンション入り口でピンポーンとした時、こまはいつも「誰か怪しいやつが来るぞ!」と警戒警報を発令し、ナイトは「誰か来るよ!楽しいよ!」と走り回るのが常である。だけど、先週の金曜日に夫が久しぶりに帰宅した時は反応がまるで違っていた。


マンション入り口のオートロックのピンポンが鳴っただけで、こまもナイトも、もう一人の家族が帰宅したんだということがはっきりわかった様子だった。玄関に向かって一心にじーっと座って、夫が上がってくるのを微動だにせず待っている。暫しの後、ウチの玄関で再度ピンポーンが鳴ると、それを合図に犬たちは金切り声を上げて玄関に向けて猛烈ダッシュをしようとする。いよいよ夫が部屋に入ってくると、狂乱ぶりは最高潮に達して、立ち上がったままくるくる廻るわ、玩具を取りにいったらいいのか夫に体当たりしたらいいのか判らなくなってうろうろするわ、私にまで喜びの体当たりをかましてくるわ、夫の顔も緩みっぱなしだわでしばらくマトモに会話ができない位だった。少し落ち着いてからも、犬たちは夫のことを見つめて嬉しそうに床に寝そべっていた。犬たちにとっては(もちろん私にもだけど)、群れの構成員が全て揃っているのは幸せな事なんだなぁ、としみじみ実感した。


それにしても。マンションの玄関から我が家がある階からまでは相当の距離があるのに、なんで犬たちは夫が下にいることが判ったんだか。いくら犬の耳がいいといっても、夫の足音が聞こえるとは到底思えない。この現象について、先月のJKCの会報で「犬は家族の足音が発生させるある種の電磁波を何らかの形で捉えているのではないか」と載っていた(ような気がする)が、目の当たりにすると、なるほどな〜と納得。