「寝込んでいる間、犬たちは心配そうにしていませんでしたか」というお問い合わせを何件か頂戴した。


過去には「ママが落ち込んでたりすると、犬たちが慰めてくれたりしませんか」と聞かれたこともあった。答えはいずれも同じ、「特に変わりないです」という素っ気無いものである。


私がベッドの中でうなされていようが、床に座り込んで涙滂沱していようが、こまはおもちゃを咥えて走り回るしナイトは毛布を咥えて振り回してるし、鈴蘭はそこらをぺたぺたと歩き回っている。いや、私が泣いてる時は全員ぎょっとした表情で遠巻きに私を眺めているか。でもそれは「なんか気味が悪いよ」「近づいたら唸られるよきっと」「さっさと切り上げてほしいね」といった表情であって、どう見ても心配してるという感じではない。ふんだ、いいさ、リーダーは孤独なもんさ。


今回は高熱にうなされた私がよれよれと寝返りを打つたびトイレに起きるたび、退屈しきった犬たちが「やっと起きたー!」「このねぼすけー!」「遊んで遊んでー!」と飛び掛ってくるもんだからホント勘弁してほしかった。いつもなら憤怒の形相でくわっと睨みつけて一息に追い散らすところだけど、こちとら瀕死ときては「なにそれなにそれ」「ヘンなかおー」「にらめっこ?」とますます犬たちを調子付かせるばかり。もう頭から布団をかぶって息をひそめて犬たちが諦めるのを待つしかない。


こんなに飼い主不幸なのはウチの犬たちだけなんだろうか。知り合いに「ウチのチワワは私が泣いてるとパパに怒りにいくんですよ」とか仰ってる飼い主さんがいるが、一体どうすればそこまで犬に想ってもらえるんだろうか。もしかして私は育て方を間違えたんだろうか。ちょっと自信喪失気味の病み上がりである。