明日、泊まりの出張が入ってしまった。何とかして泊まらずに済ませられないかと頭をひねったがかなわず、鈴蘭の実家に3頭の犬たちをお願いすることにした。そしてたった今、犬たちを置いて後ろ髪引かれる思いで一人帰宅したところである。


出張先のホテルで過ごす夜は、全く寂しくないと言えば正確ではないけれど、キモチが仕事モードになっているので犬たちのことはそれほど気にかけずに案外気楽にしていられる。辛いのは今のように、いつも犬の気配がする場所にたった一人で取り残されている時である。


壁沿いに空っぽのケージが3つ並んでいて、犬用の毛布がだらしなく引っ張り出されたままで、床の上には遊びかけのおもちゃ。今夜はこまちゃんと布団の取り合いをすることもなく、ノビノビと、だけど寂しく寝なきゃならないんだ。あぁもう、この疼くような切なさと言ったら!


こまちゃん、寂しがって泣いたりしてないだろうか。ナイト君、ガムを喉に詰まらせたりしてないだろうか。りんちゃん、ソファーから飛び降りてケガしたりしてないだろうか。余計な事ばかりが浮かんでくるよ。こんな日はしこたま呑んでさっさと寝るに限る。えーん、さみしいよー!