鈴蘭はもうすぐ6ヶ月になる。ウチに来てから3ヶ月。もうそんなに経ったのかとも思うけど、わずか3ヶ月しか経っていないのによくもまぁここまでリッパに育ったもんだとも思う。さすが、毎日160グラムのフードを平らげているだけの事はある。

あたしのこと?


パパ譲りの恵まれた体格の鈴蘭は、コロコロした幼児体型の次兄を「倒すべき相手」として認識してしまったのかもしれない。毎日毎日、野獣のようにナイトに襲い掛かり、足にかじりつくわ耳を引っ張るわ、加速をつけてスライディングで足払いを仕掛けるわ、堪らずにお腹を見せるナイトの腹の上に勝ち誇って飛び乗るわ、もうやりたい放題。先日は「空になったフードの袋」をめぐって本気ゲンカをしていたが、私が仲裁に入るまで一歩も引かずに渡り合っていたし。そんな事でいいのか、どうしたんだナイト君。

いいの、ボク兄ちゃんだから。

それに案外ちょろいし。


そういやナイトも、こまに対しては全力で戦いを挑んだもんだった。歳が近いということは最も身近なライバルでもあるということなんだろう。これまでは戦いを挑むだけで済んでいたナイト君も、妹の出現によりいよいよ迎え撃つ役を担うことになった訳だ。これもまたベンキョウだ。がんばれ負けるな、ナイト君。