私は夏が大嫌い。正確に言うと暑くて湿気のある気候は大嫌い。ここ東北も、私の憎むいやらしい季節が猛威を振るっている。何て腹立たしい。


神奈川の海に近い所で育った私には、東北の夏の暑さは大したことはなく、暑い暑いと文句を言いつつもわりあい快適に過ごしていたが、振り返れば東北に拠点を定めてはや8年(位)。関東のいやらしい暑さとは比べるべくもない爽やかな「夏」に体がすっかり順応してしまったようだ。今年の夏はもう不快で不快で仕方ない。


汗が膜となって体を覆いつくし、何処を触ってもねばねばする。自分の髪とか着ているものとか、バカみたいなものにかぶれる。ヘンな虫は出る。手足がない長いヤツがいる。とにかく汗がでる。暑い。痒い。うっとおしい。もう信じらんない!!だけど、岩手に生まれ育った夫は寒いところよりも暑いところのほうがいいんだそうだ。


私は数年間岩手に住んでいたが、雪深くて室内でカーテンが凍るほど寒くて旅行から帰ってみたら台所が凍り浸しになっていた(水道の水抜きを怠っていたため)とか、冬の朝は車の窓を溶かすのにえらく苦労するとかそもそも道路に出るまでが大変だとか、凍らせたくないものを入れるのが冷蔵庫だ(床に放置しておくと凍るから)とかいう環境の方が、神奈川の何倍も過ごしやすかった。何だっけ、兼好法師も言ってなかったっけ、「住宅は夏を旨として建てるべし、冬はどうにでもなる」みたいなこと。


あぁもう、本当に、夫が何とか北海道に家を見つけてくれないだろうか。折角会社の金で北海道しかも札幌という大都会に単身赴任しているというのに。毎度毎度やかましく言うんだけれど、どれだけ酔っ払っていても首を縦に振らないんだよね。ホントにイヤなんだろうなぁ。あーあ、説得工作は簡単にはいかなそうだ。