今回の新潟遠征のサブイベントは1つだけであった。すなわち「国道252線を通る」。これだけ。


私はこの国道に「二度と通りたくない」「いやもう一度走ってやろう」という、愛憎入り混じった感情を持っていた。昔、福島から新潟への山越えコースとして軽い気持ちでこのルートを選んでしまってからのトラウマのようなものである。なんせひっどい道だった。いきなりのヘアピンカーブの連続で先制攻撃、さらにガードレールはすぐになくなり、トンネルは道幅より明らかに狭く*1照明なし、道路はいたるところで工事中&山側しか舗装してない、従って私の走る谷側は砂利道状態、これが延々2時間、もちろん夜。今となっては面白ドライブの思い出だけど。


だけど今回久しぶりに走ったら全然普通でやんの。そりゃヘアピンだしトンネルは狭くて暗いけど、道路は舗装されてるし、なによりいたるところに「写真を愛する方々」「鉄道を愛する方々」「熟年夫婦」の姿が。そう、奥只見は紅葉の名所で、JR只見線の撮影ポイント満載なんだった。


あの悪路は幻だったのか。悪夢であっても思い出は思い出のまま残しておけばよかったなぁ。ちょっと寂しい。

*1:トンネルの入り口は、黄色と黒の三角形の模様で縁取られていた。不注意にトンネルに侵入すると側壁に衝突してしまうため、「通行可能な部分はこの内側ですよ!」と知らしめていたのだろう。ご親切は有難いが、そのお心遣いも最初だけで、いくつか目のトンネルからは縁取りのない、ただの真っ暗な入り口が口を開けているのみであった。