鈴蘭の経過

今日は術後初めての診察日だった。手術の直後から着っぱなしだった包帯チョッキを脱がせてみると、ブラックジャックを地でいくような大きな縫い目があった。だけど傷口は腫れてもいないし、経過は良好との事なので一安心。

ここは暖かいのね。
新しいチョッキを着せてもらった鈴蘭は、帰宅するなりものすごい勢いでナイトにプロレスを仕掛けている。元気になった証拠だとは思うけれど、もう2、3日はパワー控えめで闘ってほしいなぁ。

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診察の順番を待っている時、家族と思われる数人がペットを連れずに診察室を出てきた。出てきしなに先生に向かって「ありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いいたします」と頭を下げていた。それから少しして、家族の一人が看護師さんに手伝ってもらって平たい箱を病院の外に運び出していった。誰一人として泣いている人はいなかったが、きっと大事な家族をひとり亡くして、その仔をこれから家に連れて帰るところなんだろう。


私の膝の上では鈴蘭が落ち着きなく動き回り、両隣の犬たちに挨拶しようと身を伸ばしてしっぽをぶりぶり振っていた。まだ若く健康な鈴蘭は、術後の回復も早いに違いない(帰宅してからそれが裏付けられたけど)。だけど何年後にか、必ず同じシーンを自分が迎えることになる。それも3度も。頭では判っていることだけど、その時を私はどうやって受け止めるのか、今はまだ想像すら出来ないでいる。