最西端、最南端とも崖になっていて、いかにも地の果てといった雰囲気があったが、宗谷岬はそのまま海に入っていかれるせいもあり、あまり最北端といった趣は感じられなかったなぁ。人も車もいっぱいだったしね。


だけど翌日訪れた襟裳岬はすごかった。もともと風が強いところのようだけれど、この日は台風の影響もあったのか、大の大人でも転倒するんじゃないかというほどの猛烈な風。

日高山脈のしっぽ。
白く泡立つ波、刃のような真っ黒の岩礁、圧倒的な量感まで感じられるような灰色の霧。風は泣き叫ぶようで、思わず眼を閉じてしまうような、恐ろしい光景。


こんな中でも海にもぐって何かを獲っている人がいる。巨体の夫だって、吹き飛ばされないようにロープにつかまって歩くくらいだってのに。

マジで死ぬんじゃないかと思ったよ。

見守る仲間とカモメ。
襟裳岬の周辺はなだらかな丘が連なり、丈の低い草が一面に生えて風になぶられていた。ここが昔原生林だったとか、木が伐採され赤土がむき出しになり、海は濁って人も住めない程に荒れた時もあったとかをうかがわせるものはない。ただひたすら命取りな風が吹くばかり。

ガスがすごい勢いで飛ばされていく。
今写真を見ながら思い返しても心臓がドキドキしてくる。怖いけど美しいあの光景はしばらく忘れられそうにない。風が強すぎて犬たちを出すことはできず、ヤツらには気の毒だっだけれどね。